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社会貢献活動
ハンセン病制圧事業への協力について
平成26年1月26日「日本ボートレーサー奨学金」調印式
平成26年1月22日~29日 ハンセン病制圧活動海外視察を実施(インドネシア)
【日本ボートレーサー奨学金調印式】
ボートレースチャリティ基金では第4次教育支援として、ベトナム・フィリピン・インドネシア・ネパールにおけるハンセン病回復者や回復者子弟を対象にした高等教育奨学金「日本ボートレーサー奨学金」を設立することとなりました。
本奨学金制度は、(公財)笹川記念保健協力財団と現地協力先との細やかな連携・連絡の下、大学や専門学校等の高等教育に必要な4年間を支援期間として上限支援総額を設定し、教育支援を行っていくものです。
この度のインドネシア訪問に際し、同奨学金調印式が上瀧会長とインドネシアのハンセン病回復者ネットワーク「PerMaTa(ペルマータ)」代表パウルス・マネク氏出席のもと、(公財)日本財団笹川会長を始め多くの関係者の臨席を賜り、執り行われました。
調印式は奨学金事業設立の経緯説明後、(公財)笹川記念保健協力財団喜多理事長より「WHOハンセン病制圧特別大使である日本財団笹川陽平会長ご臨席のもと、日本モーターボート選手会上瀧和則会長、そしてペルマータ代表パウルス・マネクさんの調印式をここで行うことをとても光栄に、そして嬉しく思う。笹川記念保健協力財団は日本財団のご協力ご指導のもと、日本モーターボート選手会のご支援を得てたくさんの活動をしており、今回はこれらの活動に加えて、上瀧会長の若者への熱い思いから高等教育のための支援資金を作ることになった。本日のこの調印式を経て、出来るだけ早く、良い活動になるように笹川記念保健協力財団は全員でサポートしたい」旨の挨拶が、また上瀧会長から本奨学金へ寄せる思いを込めた挨拶(別掲)、
PerMaTa代表マネク氏からは「ペルマータを代表しまして皆さまに感謝の意を伝えたい。奨学金の支援を受けておりますが、これはハンセン病回復者の子弟やハンセン病回復者自身にとって非常に意義があること。奨学金のプログラムは人材育成に繋がり、ハンセン病に対する偏見や差別を無くすことにも繋がっている。今回の奨学金のプログラムを受けて、ペルマータではよりコミットメントを強く持ち、インドネシアの回復者が今直面しているスティグマ(負の烙印)や偏見の問題に取り組んでいきたい。また、このプログラムはそれに貢献すると確信している。これを機会に、ペルマータとモーターボート選手会との絆がより強くなり、そして、インドネシアにおけるハンセン病に関する偏見と差別との戦いに貢献することを切に願っている」旨の挨拶がありました。
その後、PerMaTa担当者より、これまでの奨学金支援者が、自立し社会生活を送っているとの報告がスライドショー形式でなされ、続いて感謝の言葉があり、その後、上瀧会長とPerMaTa代表パウルス・マネク氏との間で覚書への調印が執り行われました。
調印式の締めくくりに笹川会長より「日本ではモーターボートで競走する競技があり、これは大変危険を伴うスポーツ。怪我をする人も多く、時には死んでしまうこともある。そういう選手1600人の皆様方が、遠くインドネシアの皆様方が勉強するため、社会に出て立派な人になるために協力してくれたということをよく知って下さい。インドネシア中で差別を受けている、そういう間違った社会の人々の考え方を変えるにはこのハンセン病回復者の皆さんが立ち上がって活動をしなければならないのです。皆様方、一人ひとりが戦わなければいけないのです。恥ずかしいことでもなんでもないのです。単に病気になって治ったということだけです。奨学金を受け、そして就職できて、自分だけ生活が良くなればいいという考えは間違いです。皆様方もこれから一生ペルマータのメンバーとして活動を続け、そしてお父さんやお母さんが受けた、このスティグマを無くすための指導者の一人になっていただきたいというのが、この奨学金の目的ですから忘れないようにして下さい。どうぞこの素晴らしい機会を得たことについて、しっかりと勉強して頂き、ペルマータの一員としてこれからも活動してくださることを心からお願いします。おめでとうございました」旨、お言葉を頂戴し、同式を閉会いたしました。
「日本ボートレーサー奨学金」調印式 会長挨拶全文
 皆さま、こんばんは。
 日本モーターボート選手会会長の上瀧和則です。
 この度は、初めてインドネシアを訪問し、本日、パプア州からジャカルタに戻ってきたところです。私ども日本モーターボート選手会は、日本のプロスポーツ選手の団体の一つとして、ハンセン病制圧事業をはじめ広く社会に向けた公益活動に積極的に協力しております。
 この度、インドネシアのハンセン病回復者団体・ペルマータと今後4年間にわたり、回復者の方々のお子さんのために奨学金の協力を行うこととなりました。
 ハンセン病の親をもった子供たち、若い世代の方々がより高い教育の機会を得ることは、差別や偏見をはねのけ、子供たちの未来を切り拓いていくための大変重要なカギとなります。
 そして、長期的には、教育を受けた若い世代が社会に巣立ち、就職し、社会的な地位を得てゆくことは、高齢化が進む両親を支えてゆくこととともに、長い間、人々を苦しめてきたハンセン病により引き起こされる貧困と疎外の悪循環を断ち切る効果もあります。
 私どもは、2002年より、WHOハンセン病制圧特別大使である笹川陽平日本財団会長のハンセン病制圧活動に賛同し、日本のボートレーサー約1600名、全員から一人ひとり寄付を募り、その総意としてボートレースチャリティ基金委員会を発足させました。
 これまで、貴国を含み、インド、中国、ミャンマー、ネパール等、さまざまな国々に対し、教育支援をはじめとした回復者の生活改善や自立のための協力を行ってまいりました。
 この度、インドネシア訪問に際し、ペルマータのメンバーも同席の中で、本日、このように「日本ボートレーサー奨学金」の調印式をここジャカルタで実施できることは私としても大変嬉しく、光栄な機会であります。
 今後のインドネシアと回復者の皆さんの未来を担うのは、若い世代です。どうか、この奨学金が、若い皆さんの将来を切り拓いてゆく上で、大きな希望の一歩となり、輝かしい人生を歩んでゆくために大いに役立てていただくことを心より願って、ご挨拶に代えさせていただきます。
 本日は、誠におめでとうございます。
公益社団法人
日本モーターボート選手会
会長 上瀧 和則
【ハンセン病制圧活動海外視察】
視察の経緯
1月22日から29日、(公財)日本財団のハンセン病制圧活動が実施され、上瀧会長は同財団笹川陽平会長、(公財)笹川記念保健協力財団喜多悦子理事長をはじめ、関係スタッフたちと共にインドネシアのジャカルタ、パプア州ジャヤプラ及び同州ビアク島を訪問しました。(日程別掲)
本会は日本財団が行っているハンセン病制圧事業へ全面的に協力をしており、今回、同財団の活動に帯同し、同国内におけるハンセン病蔓延地域において、回復者施設訪問をはじめ、患者及び回復者、その子弟ならびに、政府関係者との面談等を行い、同国内におけるハンセン病の実態把握に努めたほか、本会出資によるハンセン病回復者子弟を対象とした奨学金制度「日本ボートレーサー奨学金」の調印式(前述)に出席したほか、世界ハンセン病デー(毎年1月の最終日曜日)に合わせ開催される「グローバルアピール2014式典」に出席しました。
インドネシアのハンセン病
インドネシアにおけるハンセン病は全国ハンセン病対策プログラムと国際機関、国際NGOの協働により、1985年には12万6221人だった登録患者数が2000年には1万7539人へと激減し、公衆衛生上の問題としての制圧(人口1万人当たりの患者数1人未満)を達成。しかし、過去10年以上にわたり毎年1万7000人以上の新規患者が登録されていること等が問題点として挙げられております。なお、2013年初における登録患者数は2万2390人。
パプア州ジャヤブラにて
22日午前に日本を発ち、同日午後ジャカルタに到着。翌23日早朝にジャカルタよりパプア州の州都・ジャヤプラ移動。同地における視察では、ハンセン病患者や回復者が多く暮らす村を訪問。その際、村人の皆さんが歓迎式典を催してくださり、その中でハンセン病に関わる方々のお話を伺いました。
また、上瀧会長が村の子供たちに向け日本の童謡を歌い、最初は恥ずかしがっていた子供たちも、上瀧会長のそばに寄り、一緒に大きな声で楽しそうに歌い親睦を深めました。その後、回復者の自宅を数軒訪問し、ハンセン病や治療に関する話をしたほか、日常の話などを伺いました。ジャヤプラ滞在2日目となる24日、同州副知事のクレメン・ティナル氏と面談を行い、その後、保健所を訪問し笹川会長からハンセン病回復者の方々へ励ましの言葉を、看護師の方々には感謝の言葉を贈りました。
ピアク島にて
25日、ジャヤプラを発ち、ビアク島へ移動。ビアク保健所及びビアクヌンポール総合病院を訪問、患者の方々を激励したほか、看護師の方より同島におけるハンセン病治療に関する問題点等を伺いました。また、太平洋戦争における激戦地の一つであった、同島内にある、日本人戦没者記念碑や日本軍司令部が置かれていた洞窟を慰問しました。
日本ボートレーサー奨学金調印式
26日、ビアク島を発ち、ジャカルタへ移動。ハンセン病患者及び回復者子弟の高等教育を対象とした「日本ボートレーサー奨学金」の調印式を実施しました。(前述)
グルーバルアピール2014出席
翌27日、グローバルアピール2014式典へ出席。同式典はハンセン病患者・回復者の尊厳と人権の回復を世界中に発信していくものであり、各国人権委員会委員、インドネシア政府関係者を始め国際機関関係者、在インドネシア日本大使ら多数が出席し開催されました。式典において、インドネシア人権委員会副委員長や笹川会長がスピーチを行ったほか「グローバルアピール共同宣言」を笹川会長、各国人権委員、ハンセン病回復者たちが読み上げ、同宣言書へ署名しました。また、同式典後には記者会見が開かれ、人々の正しい理解の為には、メディア・宗教指導者並びに政治家がハンセン病への差別撤廃等を広めることの必要性をメディアを通じ世界に向け発信しました。
シタナラハンセン病病院訪問
翌28日には、インドネシア最大のハンセン病病院であるシタナラハンセン病病院及び、それに隣接する回復者コミュニティーを訪問。同院において、治療中の患者たちや罹患の疑いがあり来院した方々を激励したほか、義足工場やリハビリセンターを見学しました。また、隣接する回復者コミュニティーではインドネシアの大学生たちによる子供たちへの英語教室が開かれており、多くの子供たちが元気いっぱいに授業を受けていました。授業の最後に子供たちから歓迎の踊りが披露され、その御礼に上瀧会長・笹川会長を中心とした日本人スタッフ全員で日本の童謡を歌いました。

全行程を無事に終了し、一行は帰国しました。

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