「令和2年7月豪雨」は、7月3日から31日にかけて本州に停滞していた梅雨前線が、九州を中心に多数の線状降水帯を発生させたことにより、日本各地で起こった集中豪雨です。東北地方、中部地方、九州地方の各地では統計史上最大の雨量を記録しました。この豪雨は各地で河川の氾濫や家屋への浸水、土砂災害を引き起こし、多数の死傷者やインフラ被害をもたらしました。
特に熊本県では球磨川水系の計13ヶ所にて河川の氾濫や堤防の決壊が発生し、約1060ヘクタールが浸水。今回活動を行った球磨村では浸水高9メートルにまで達し、死者が25名、家屋の浸水490棟という甚大な被害が出ました。(詳細は図参照)
しかし、被災地では多くの人手が必要とされているにも関わらず、現下の新型コロナウイルス感染症の拡大懸念から、ボランティアの受け入れを制限せざるを得ない状況です。
球磨村の要請を受け、日本財団では重機を用いたボランティアを行っており、道路や公共施設、民家等に流入した大量の土砂や大きな瓦礫を撤去し、一般のボランティアが作業に入るためのサポートをしております。
2日間の活動後、松瀬選手は「コロナウイルスの影響で県外のボランティアは受け入れていない状況だったので、2週間前から自主的に検温をしてから現地に入りました。今回のボランティアでは住民との接触を避けるため、ほとんどが重機を用いた屋外での土砂等の撤去作業でした。本来であればその作業の後に屋内の清掃をするのですが、屋内作業は県民だけのボランティアで行うため、手が行き届かないところが多く歯痒い気持ちになりました。2週間早く現地に入れていれば壊さずに済んだ家が何軒もあり、見ていて辛かったです。この状況ではボランティアに行きたくても行けない人も多いと思いますが、本当なら人を集めてみんなの力でやりたいです」と語っておりました。